Japanese
English
原著
腱鞘巨細胞腫37例の病理組織学的検討
The histopathological analysis of 37 cases of giant cell tumor of tendon sheath
村澤 章子
1
,
木村 鉄宣
1
Shoko MURASAWA
1
,
Tetsunori KIMURA
1
1札幌皮膚病理研究所
1Sapporo Institute for Dermatopathology
キーワード:
腱鞘巨細胞腫
,
giant cell tumor of tendon sheath
,
発生機序
,
肉芽組織
,
病理組織
Keyword:
腱鞘巨細胞腫
,
giant cell tumor of tendon sheath
,
発生機序
,
肉芽組織
,
病理組織
pp.345-349
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100092
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要約
腱鞘巨細胞腫(giant cell tumor of tendon sheath)37例の病理組織学的検討を行った.多核巨細胞の種類では,異物型が全例(100%)に,Langhans型が2例(5%)に,Touton型が3例(8%)にみられた.泡沫細胞は17例(46%)に,血管の増生は全例(100%)に,赤血球の血管外漏出は36例(97%)に,ヘモジデリン沈着は31例(84%)に,間質の膠原線維の硝子化は8例(22%)にみられた.病理組織所見から,腱鞘巨細胞腫の発生機序として,外傷が加わり,創傷治癒が起こり,肉芽組織を構成する成分の中でも組織球の増生を主体として形成される反応性の疾患であると,われわれは推測した.また,同様の機序により形成される疾患に瘢痕・ケロイド,皮膚線維腫,結節性筋膜炎,化膿性肉芽腫がある.
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