Japanese
English
原著
結節性筋膜炎71例の病理組織学的検討
Histopathological analysis of 71 cases of nodular fasciitis
村澤 章子
1
,
木村 鉄宣
1
Shoko MURASAWA
1
,
Tetsunori KIMURA
1
1札幌皮膚病理研究所
1Sapporo Institute for Dermatopathology
キーワード:
結節性筋膜炎
,
肉芽組織
,
病理組織
,
発症機序
,
巨細胞
Keyword:
結節性筋膜炎
,
肉芽組織
,
病理組織
,
発症機序
,
巨細胞
pp.589-595
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101494
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要約
結節性筋膜炎(nodular fasciitis)71例の病理組織学的検討を行った.病変の部位は真皮中層から皮下組織が1例,真皮下層から皮下組織が6例,皮下組織に限局するものが59例,不明が5例であり,筋膜との連続性があるものが9例であった.周囲との境界は明瞭が9例,不明瞭が62例であった.間質の性状は粘液腫様が7例,中間型が19例,線維性が45例であった.浸潤細胞では多核巨細胞が7例,ほう沫細胞が6例にみられた.また,血管の増生が70例,赤血球の血管外漏出が60例,ヘモジデリン沈着が5例,storiform patternが7例にみられた.病理組織学的所見から,結節性筋膜炎の発症機序として,外傷などを契機として創傷治癒が起こり,肉芽組織が形成され,構成成分の中で,特に線維芽細胞,膠原線維,組織球が増生し形成された疾患であると考えた.また同様に,肉芽組織が進展して形成される一連の疾患として,皮膚線維腫,瘢痕またはケロイド,腱鞘巨細胞腫,化膿性肉芽腫があると推測した.
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