Japanese
English
臨床経験
膝関節に発生した色素性絨毛結節性滑膜炎の1例—組織学的および組織化学的検索
Pigmented Villonodular Synovitis of the Knee Joint: Histology and Histochemistry of a Case
中西 純夫
1
,
井形 高明
1
,
広瀬 隆則
2
,
佐野 寿昭
2
,
檜澤 一夫
2
,
柴田 昌志
3
,
坂東 栄三
3
Sumio Nakanishi
1
1徳島大学医学部整形外科教室
2徳島大学医学部第一病理学教室
3麻田総合病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Tokushima University
キーワード:
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
pigmented villonodular synovitis
,
腱鞘巨細胞腫
,
giant cell tumor of tendon sheath
,
組織化学的検索
,
histochemical examination
Keyword:
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
pigmented villonodular synovitis
,
腱鞘巨細胞腫
,
giant cell tumor of tendon sheath
,
組織化学的検索
,
histochemical examination
pp.1057-1061
発行日 1986年9月25日
Published Date 1986/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907484
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:54歳,女性の膝関節内に発生した色素性絨毛結節性滑膜炎の1例について組織学的および組織化学的に検討した.膝蓋上嚢から関節窩にかけて滑膜のポリープ状増殖がみられ,組織学的には滑膜の絨毛状増殖が主体で,組織球様の類円形細胞およびヘモジデリンや赤血球貪食細胞のびまん性密な増殖が認められた.組織化学的に種々のライソソーム酵素が類円形細胞とヘモジデリン貪食細胞の一部に陽性反応を示した.電顕的に豊富なRERとsiderosemeをもつ線維芽細胞様細胞,多数のライソソームをもつ組織球様細胞および中間型細胞が認められた.本例では増殖の主体をなす細胞は組織球性格をもち,活性化した滑膜細胞そのものであることが示唆された.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.