Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に併発した壊疽性膿皮症の4例
Four cases of pyoderma gangrenosum associated with ulcerative colitis
米田 和史
1
,
知野 剛直
1
,
亀井 和可奈
1
,
山田 鉄也
2
,
名倉 一夫
3
,
楊 美雪
4
Kazufumi YONEDA
1
,
Yoshinao CHINO
1
,
Wakana KAMEI
1
,
Tetsuya YAMADA
2
,
Kazuo NAGURA
3
,
Miyuki YOU
4
1岐阜市民病院皮膚科
2岐阜市民病院中央検査部
3岐阜市民病院消化器内科内視鏡部
4岐阜赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology,Gifu Municipal Hospital
2Department of Clinical Laboratoly,Gifu Municipal Hospital
3Department of Gastroenterological Endoscopy,Gifu Municipal Hospital
4Department of Dermatology,Gifu Red Cross Hospital
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
pp.263-266
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100070
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要約
症例1:25歳,女性.17歳から潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)を発症していた.両下腿に浸潤性紅斑と潰瘍を形成.真皮中層から皮下にかけて好中球を主体とし,リンパ球を混じる著明な炎症細胞浸潤があった.血管壁は膨化し,好中球が浸潤していた.壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)とUCの病勢に相関はなかった.症例2:51歳,男性.49歳からUCを発症していた.頭部,顔面,両上肢,体幹に膿疱と潰瘍が形成されていた.真皮全層に好中球を主体とした著明な炎症細胞浸潤がみられ,膿瘍を形成していた.周辺部では血管周囲にリンパ球主体の細胞あり.PGとUCの病勢に相関があった.症例3:28歳,男性.19歳からUCを発症していた.両下腿に潰瘍形成があった.PGとUCの病勢に相関はなかった.症例4:39歳,女性.初診1か月前から血便,1週間前から顔面,頭部に膿疱と潰瘍が多発した.PGとUCの病勢に相関あり.本邦におけるPGの報告は過去5年間に236例あり,79.3%に合併症を認めた.そのうちUCが21.6%と最も多く,骨髄異形成症候群が10.2%,大動脈炎症候群とCrohn病が6.4%,以下膿瘍,リウマチ性関節炎,肺疾患,糖尿病などがみられた.
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