Japanese
English
症例報告
皮膚原発有棘細胞癌と鑑別を要した口腔癌の臀部皮膚転移の1例
A case of gluteal skin metastasis of oral cavity cancer requiring differential diagnosis from primary cutaneous squamous cell carcinoma
吉田 寿斗志
1
,
幸田 公人
1
,
石地 尚興
1
,
上出 良一
1
Hisatoshi YOSHIDA
1
,
Masato KODA
1
,
Takaoki ISHIJI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
口腔癌
,
扁平上皮癌
,
皮膚転移
Keyword:
口腔癌
,
扁平上皮癌
,
皮膚転移
pp.183-185
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100050
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要約
49歳,男性.3年前,口腔癌(T4N2bM0;ⅣA)にて他医で腫瘍切除術,両側頸部リンパ節郭清術,化学療法を受け,局所再発はみられていない.半年前より左臀部に腫瘤が出現し,急激に増大したため当科を受診した.腫瘍の辺縁より2cm離し筋層を厚さ約1cm含んで切除した.腫瘤表面はびらん性のため,表皮との連続性は不明であった.口腔癌と病理組織像を比較すると両者は類似しており,有棘細胞の分化を主体とした太い索状の増殖を示していた.臀部には有棘細胞癌の発生母地となる基礎疾患はなかった.縦隔と仙骨に転移を認めたが,鼠径リンパ節,肺や肝に転移を認めなかった.以上より,左臀部腫瘤は口腔癌の血行性転移と考えた.口腔癌の転移先として皮膚は第5位(15.1%)であるが,顔面,頸部に出現することが一般的で,われわれが調べ得た限りでは,それら以外の皮膚へ転移が生じた報告は見当たらず,本症例は稀な部位への転移と考えた.
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