Japanese
English
症例報告
胸腺癌患者に生じた成人発症のアナフィラクトイド紫斑の1例
A case of anaphylactoid purpura associated with thymic carcinoma
大澤 倫子
1
,
横田 浩一
1
,
西江 渉
1
,
大久保 佐土美
1
,
清水 宏
1
Rinko OSAWA
1
,
Koichi YOKOTA
1
,
Wataru NISHIE
1
,
Satomi OKUBO
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚粘膜病学分野
1Department of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
成人発症
,
アナフィラクトイド紫斑
,
悪性腫瘍
,
胸腺癌
Keyword:
成人発症
,
アナフィラクトイド紫斑
,
悪性腫瘍
,
胸腺癌
pp.35-37
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100381
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60歳,男性.既往歴に糖尿病,胸腺癌がある.初診の3日前より特に誘因なく,米粒大の無症候性皮疹が両下肢に出現した.初診時,両下肢,前腕,臀部に直径5~10mm大,一部癒合性でびらん,血疱,浸潤を伴う紫紅色の紫斑を伴う小丘疹が散在し,下肢には浮腫を認めた.病理組織像では,主に真皮上層の血管に好中球核破砕性血管炎を認め,蛍光抗体直接法でIgAが血管内皮細胞に沈着し,アナフィラクトイド紫斑と診断した.入院後皮疹はPLS30mg/日で速やかに軽快した.成人発症のアナフィラクトイド紫斑は悪性腫瘍を含む基礎疾患をもつことが多いとされ,自験例では胸腺癌との関連が示唆された.
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