Japanese
English
今月の症例
フロセミドによる水疱型薬疹の1例
A case of bullous drug eruption induced by furosemide
周東 朋子
1
,
長谷川 道子
1
,
豊田 愛子
1
,
高橋 亜由美
1
,
田村 敦志
1
,
石川 治
1
Tomoko SHUTO
1
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Aiko TOYODA
1
,
Ayumi TAKAHASHI
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology,Gunma University Graduate School of Medicine
キーワード:
フロセミド
,
ループ系利尿薬
,
水疱型薬疹
Keyword:
フロセミド
,
ループ系利尿薬
,
水疱型薬疹
pp.14-16
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100002
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要約 57歳,男性.慢性C型肝炎およびアルコール性肝硬変による浮腫,腹水に対しフロセミドを内服中,四肢に水疱を伴う紅斑が出現.臨床・組織像より薬疹と診断した.被疑薬を漸次中止し,最後に残ったフロセミドを中止し,他のループ系利尿薬であるトラセミドに変更したところ皮疹は軽快した.しかし,約4か月後に皮疹が再発したため,さらに同系統のアゾセミドに変更して皮疹は軽快した.ところが,その3か月後には皮疹が再発したため,ループ系利尿薬の使用を断念した.ループ系利尿薬の薬疹ではアレルギー性機序以外に,腎不全・肝不全による薬剤あるいはその代謝産物の蓄積毒性が関与している可能性がある.本剤による薬疹で同系統の薬剤に変更した場合,患者の基礎疾患によっては再発の可能性が十分ありうることを認識する必要がある.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.