Japanese
English
症例報告
骨髄移植後に生じた,タクロリムス(プログラフ(R))の関与が疑われた薬疹の1例
A case of drug eruption due to tacrolimus, which occurred in post bone marrow transplantation
吉田 寿斗志
1
,
中村 友紀
1
,
塚原 菜々子
1
,
上出 良一
1
,
中川 秀己
1
Hisatoshi YOSHIDA
1
,
Yuki NAKAMURA
1
,
Nanako TSUKAHARA
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
タクロリムス
,
プログラフ(R)
,
薬疹
,
骨髄移植
Keyword:
タクロリムス
,
プログラフ(R)
,
薬疹
,
骨髄移植
pp.307-310
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101415
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要約 50歳,男性.1997年1月(44歳時),急性骨髄性白血病を発症.2003年3月,骨髄バンクドナーからの骨髄移植を施行し,移植後,タクロリムス内服開始した.移植後110日頃より,発熱と紅斑が出現したため,同年7月3日当科を受診した.骨髄移植後GVHDを考え,顔面と体幹の紅斑より皮膚生検を施行した.病理所見上,表皮基底層液状変性や表皮細胞壊死を認めず,真皮上層の好酸球浸潤が顕著であり,血液検査にて好酸球増多を認めたことから薬疹と診断した.タクロリムスによる薬疹の報告はなく,骨髄移植後のため免疫抑制薬は必須と考え,タクロリムスのみ内服継続とし,他の薬剤は中止とした,ステロイド内服にて皮疹は軽快したため,漸減したところ皮疹が再燃した.内服継続していたタクロリムスを原因薬剤と考え,免疫抑制薬をシクロスポリンへ変更した.変更後,皮疹は消退した.当初中止していた他の薬剤を再開したが,皮疹の再燃はみられなかった.
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