特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
咽頭
32.喉頭截開術・ステント留置術
久 育男
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.153-156
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902550
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はじめに
喉頭截開術(laryngofissure)は,甲状軟骨と輪状軟骨を縦切開して喉頭内腔に至る手術術式であり,甲状軟骨のみを切開する場合は甲状軟骨切開術(thyrotomy)と呼ばれる。喉頭微細手術の進歩(特にレーザー手術の導入)に伴い,喉頭截開術の適応は明らかに減少しているが,その重要性がなくなったわけではない。適応となる主な疾患は,喉頭微細手術では対応不能な巨大腫瘍,厚い横隔膜,そして瘢痕狭窄などである。手術件数が減少しているため,実際に手術を執刀あるいは見学した経験はないかも知れないが,本手術は決して難しいものではない。
ステント留置術は,喉頭狭窄に対する治療法の代表的なものであるが,治療にあたっては,ステントの種類やその留置期間など,頭を悩ませる問題が多い。
本稿では,上記2つの手術の術中・術後に起こり得ると考えられる,あるいは想像される合併症について述べる(表1)。ただ幸いなことに,筆者が経験したことのない合併症(実際には起こり得ないもの?)が多く含まれる。
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