トピックス 院内感染の現況とその取り扱い
5.C型肝炎ウイルス感染
市田 隆文
1
,
本間 信之
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科機能再建医学講座消化器病態修復学
pp.31-35
発行日 2002年1月20日
Published Date 2002/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902472
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はじめに
細菌やウイルスを原因とする院内感染により,致命的な事態に陥ることがときに見受けられる。その中で,細菌感染でのMRSAやウイルス感染におけるB型肝炎ウイルス(HBV)は院内感染後,比較的早期に致命的な病態に進行することがある。一方,C型肝炎ウイルス(HCV)は感染後の症状は軽微であり,重症感はないが慢性肝炎に移行し,年余にわたり肝硬変や肝細胞癌へ進行する。そのために,重症化,劇症化さらには敗血症に陥らないことから軽んじられる傾向にあるが,実際はHIV感染とともに致命的な院内感染症である。
本稿では,直接耳鼻科領域の病態と関係のないHCV感染の院内感染に関して言及し,その取り扱いに関して専門医としての意見を述べることとする。
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