トピックス 心身医学と耳鼻咽喉科
4.心身医学と嗅覚障害
古川 仭
1
1金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学
pp.829-832
発行日 2001年11月20日
Published Date 2001/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902444
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はじめに
耳鼻咽喉科の一般外来において,嗅覚障害を主訴に受診する患者は特殊な場合を除き非常に少なく,嗅覚異常は問診して初めて明らかになる症状である。その特殊なケースとしては,交通事故や労働災害などの外傷後の嗅覚障害と,中年の女性に多い感冒罹患後の嗅覚障害が一般的である1)。それ以外にも,ニオイに関する訴えで受診する特異なケースとして,心身症や神経精神病における嗅覚関連症候や,ニオイの質的な異常としての異常嗅感がある。
本稿ではそれらの嗅覚に関連する特徴ある症候を取り挙げ,そこから診断を確定するためのポイントや検査の選び方・進め方などを中心に解説する。
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