特集 透析患者の感覚器障害
4.嗅覚障害(2)薬剤性嗅覚障害
谷口 賢新郎
1
,
太田 康
1
1東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科学講座
キーワード:
薬剤性嗅覚障害
,
嗅神経性嗅覚障害
,
テガフール
Keyword:
薬剤性嗅覚障害
,
嗅神経性嗅覚障害
,
テガフール
pp.55-60
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001160
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嗅覚障害は,① 気導性嗅覚障害,② 嗅神経性嗅覚障害,③ 中枢性嗅覚障害に分けられるが,薬剤性の嗅覚障害は嗅神経性嗅覚障害に分類される.嗅覚障害の診断および治療においては,病歴聴取とともに,鼻内視鏡所見や画像検査が不可欠である.薬剤性嗅覚障害を疑う一番の根拠は,被疑薬投与中,もしくは投与後に症状が出現したという病歴であるが,薬剤性嗅覚障害を引き起こす可能性がある薬物は抗がん薬,抗菌薬,抗真菌薬,抗甲状腺薬など多岐にわたるが,その頻度は低い.透析患者でも多くの薬剤が使用される機会が少なくない.しかし,嗅覚障害は生活の質(quality of life;QOL)に多大な影響を及ぼすため,普段の診療において,嗅覚障害患者を認めた際には,ぜひ耳鼻咽喉科に紹介していていただければ幸いである.
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