トピックス 頭頸部癌—私の治療方針と成績(その1)
2.頸部転移を有する上顎洞癌
①上顎洞原発扁平上皮癌に対する集学療法と長期予後の分析
今野 昭義
1
,
寺田 修久
1
,
沼田 勉
1
,
永田 博史
1
,
花沢 豊行
1
,
武藤 博之
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.487-494
発行日 1998年7月20日
Published Date 1998/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901827
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はじめに
過去30年間,上顎洞癌症例を対象として,多くの施設において癌の根治と同時に治療後の患者のQOLの向上を目指して努力が続けられてきた1〜6)。われわれも秋田大学I期(1971年12月〜1982年1月),秋田大学II期(1982年2月〜1987年8月),千葉大学II期(1988年9月〜1995年5月)を通して,診断,治療法の進歩とともに少しずつ修正を加えながらも,一定期間はあらかじめ定めた治療方針に従って全症例を治療し,上顎洞癌症例に対する治療上の問題点を検討してきた7〜11)。
本稿では最も症例の多い上顎洞原発扁平上皮癌に限って,それぞれの時代における自験例の治療成績と,治療上の問題点を整理すると同時に,特にリンパ節転移を伴う症例に対する治療について考察する。
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