特集 再建外科
I.再建材料とその採取法
4.骨付き筋皮弁
(1)肋骨付き皮弁—肋骨付き大胸筋皮弁の採取法と下顎再建における利用法
沼田 勉
1
,
今野 昭義
1
,
花沢 豊行
1
,
永田 博史
1
,
寺田 修久
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.60-66
発行日 1999年4月30日
Published Date 1999/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901974
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はじめに
下顎骨に浸潤または近接する舌,口腔底癌,下歯肉癌では下顎骨合併切除が必要となる。下顎再建には硬度,強度に優れ,十分に幅の広い移植骨を採取できることから,一般的には骨付き肩甲皮弁が第1選択となる。しかし高齢,その他の理由から,できるだけ短時間で再建術を完了しなければならない症例では,肋骨付き大胸筋皮弁を用いることが少なくない。また腫瘍の進展範囲によっては下顎骨を離断することなく,下顎骨下縁を細くframe状に残すことができる症例もある。そのような症例では,残存下顎骨の上にonley bone graftの形で肋骨付き大胸筋皮弁として移動した肋骨を固定して,下顎骨を補強することが多い。
本稿では肋骨付き大胸筋皮弁の作成法と下顎再建への利用法について述べる。
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