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はじめに
鼻咽喉ファイバースコープは日常の外来診療に欠くべからざるものになってきている。手軽かつ有用な検査器具であるが,病的な鼻・咽・喉頭の観察による様々な細菌付着の可能性や,気づかぬうちにHB抗原陽性患者,梅毒患者などに使用してしまう可能性を考えると,消毒が十分行われないまま次々と患者に使用することは慎まなければならない。多忙な外来診療においてもファイバースコープの消毒は不可欠であり,人手と時間をかけない消毒法が必要である。
当施設では鼻咽喉ファイバースコープ使用後はアルコール綿で挿入部を丹念に清拭していたが,先端に向かってしごくために可動部の被覆面が損傷されて先端に寄ってしまい,経鼻的に挿入しにくい状態となり平滑性も失われてしまっていた。被覆面が損傷され,平滑性が失われることは細菌や血液が付着しやすく,また残存しやすくなると考えられる。著者は,挿入部の損傷を生じることなく手軽に用いることのできる鼻咽喉ファイバースコープ消毒器を手作りにて試作し,その消毒効果についてすでに報告済みであるが1),今回はその市販モデルについて同様の成績が得られるか否かの検討を行い得たので,手作りの試作モデルの成績と比較して報告する。
In this study, the effect of the disinfector, running water washer, produced by Koken company which has the same structure as our model was studied.
After wiping off the tip of endoscope with cotton soaked with benzalconium chloride, the endoscopes were dipped in grutaral solution for 3 minutes and then the running water washer was used for 3 minutes. In 30 trials, all strains of bacteria detected before washing were disappeared.
The running water washer, which has been on the market, is considered clinically effective for disin-fecting endoscopes.
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