臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
XIV.内視鏡による診断技術
2.胃鏡(胃カメラ・ファイバースコープ)
崎田 隆夫
1
1国立がんセンター内科
pp.842-843
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203174
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胃カメラは管の尖端にレンズ,カラーフィルム,フラッシュが組みこまれ,これを胃内に入れて,外部よりの操作で数十枚の胃内写真をうつし,それを読影して診断する器械である.ファイバースコープは激小なグラスファイバーを束ねた柔かい管で光の全反射を利用し,管が屈曲しても外部から胃内を観察できる器械である.これは最近では生検や細胞診のできる器械となっている.胃カメラとファイバースコープを組み合わせたものがファイバースコープ付胃カメラ(GTF)である.
胃カメラには標準型V型,尖端の大きく屈曲するVA型,細くて柔かい集検用P型などがあるが,近く,細くて柔かく尖端の大きく屈曲するPA型が完成し,それに統一される予定である.胃カメラの特長はよいカラー写真が数分でとれ,被検者の苦痛が軽微であるという点にあり,数多く行なわなければならない第1次検査に最も適している.これはいわゆる盲目的に行なう欠点の反面,再内をくまなく撮影するという利点があり,その意味でも,第1次検査に適している.しかし,ファイバーが組みこまれ,しかも現在の太さ柔かさのものが遠からず完成され,第1次検査用内視鏡として統一されるであろう.
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