連載 症状から見た耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ
③咽喉頭異常感症
幸田 純治
1
,
小池 靖夫
1
1徳島大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.832-839
発行日 1996年9月20日
Published Date 1996/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901434
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はじめに
ノドの異常感を訴えて耳鼻咽喉科を受診する患者は多いが,その原因となる疾患は多種多様である。これらの中には,魚骨異物や喉頭蓋嚢胞のように,異常感の原因と思われる病変を通常の耳鼻咽喉科的診察で見出すことができ,かつ治療によって症状が消失する症例がかなり存在する。しかし一方,症状に見合うだけの所見を発見できず,診断に苦慮する症列も多数存在する。これらの因喉頭異常感症は原因疾患が多岐にわたるため,多忙な外来診療のなかにおいては,系統的に診察を行わないと問診不足,検査不足によって見落としを出す危険をはらんでいる。
ここでは,日常の耳鼻咽喉科診療に役立つように,症例を呈示しながら,咽喉頭異常感症を取り扱ううえでのポイント,注意点について述べる。
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