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はじめに
鼻内経由の鼻副鼻腔手術(鼻内手術)には,従来からの額帯鏡を用いた裸眼手術法1)と最近よく行われる,内視鏡を用いての手術法2)があるが,いずれにしても,鼻副鼻腔という,三次元的に複雑な構造を有する器官の病態に対して,前鼻孔を経由して施行されるものである。この手術では,重大な手術合併症である視神経損傷,外眼筋損傷,あるいは頭蓋内損傷を確実に防止することが大切である。そのためには,術前に鼻鏡およびファイバースコープ下に鼻腔を視診し,さらに画像診断により,その鼻副鼻腔の構造について十分に理解することが要求され1,3),その上で,手術の手順や方法などが十分に検討されなければならない。
われわれは,鼻内手術時に前鼻孔からとらえられる実際の術野を十分に理解するために,画像診断において術野の所見に類似したCT画像(OMline+40°CT)の作成を検討してきた4)。それをわれわれは,簡単に半軸位断CTと呼ぶことにした。
今回,鼻内手術時における半軸位断CTの有用性を検討したので報告する。
We developed a new hemiaxial computed tomo-graphy (CT) technique (OM line+40°CT) to exam-ine the paranasal sinuses for the safer intranasal paranasal sinus surgery.
1) Anterior rhinoscopic findings during intranasal surgery and hemiaxial CT findings were corresponded closely.
2) The ethmoidal infundibulum and the frontonasal duct were depicted in the space between the middle nasal concha, ethmoidal bulla and ante-rior ethmoidal cell.
3) The distance between the anterior nares and an anatomical indicator in the nasal cavity could be determined in specific figures.
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