目でみる耳鼻咽喉科
術後性上顎嚢胞の内視鏡下鼻内手術
湯本 英二
1
,
河北 誠二
1
,
相原 隆一
2
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2鷹の子病院耳鼻咽喉科
pp.574-575
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901160
- 有料閲覧
- 文献概要
術後性上顎嚢胞の手術には,嚢胞を壁を含めて全摘出する方法と壁を除去せずに鼻腔に交通路を作製する方法がある。また,アプローチの違いによって歯齦部に切開を加える経上顎洞法と鼻内法がある。鼻内法では,鼻内から嚢胞壁を大きく切開排膿し,鼻腔と大きな交通路を作製する。
鼻内法自体は新しい方法ではない。CTを中心とする画像診断の進歩によって嚢胞の存在だけでなく,その局在部位が術前に正確に診断できるようになったこと,および,鼻用の硬性内視鏡が開発されたことで鼻内所見を確実に把握できるようになったことから,内視鏡下に行う鼻内法が手技的に容易となった。また,鼻内法は患者に及ぼす手術侵襲が非常に小さいという利点がある。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.