Current Article
頭蓋底外科—[附]頭蓋底手術におけるMRI診断のキー・ポイント
鎌田 信悦
1
1癌研究会附属病院頭頸科
pp.618-629
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901167
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
耳鼻咽喉科・頭頸部外科における最近のトピックスのひとつに「頭蓋底外科」がある。頭蓋底外科の名称は英語の“Skull Base Surgery”あるいは“Cranial Base Surgery”の日本語訳である。頭蓋底(トウガイテイではなくズガイテイと呼ぶ人が圧倒的に多い)外科とはその名が示すとおり,頭蓋底を手術対象とする外科である。対象となる疾患の大部分は頭蓋底に浸潤する腫瘍であるが,その他血管疾患,炎症性疾患,外傷,奇形なども対象になる。頭蓋底外科の技術を用いることにより,これまでは手術適応とされていなかった上咽頭癌や鼻副鼻腔癌の頭蓋底浸潤症例のなかで,安全に手術ができ,かつ根治が得られる症例が増加してきている。本稿では耳鼻咽喉科・頭頸部外科における頭蓋底外科の意義と現況について報告する。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.