目でみる耳鼻咽喉科
内視鏡下鼻内手術
洲崎 春海
1
,
野村 恭也
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.180-181
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900251
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光学器械の改良進歩により,細い手術用内視鏡やビデオカメラが鼻内手術に導入され,狭いうえに複雑な構造をもつ鼻・副鼻腔の術創内においても死角が少なくなり,操作部位を明視下にかつ近接できるため,より正確で繊細な手術が行えるようになった。従来の鼻・副鼻腔手術では術野の解剖学的問題で術者以外に手術操作がわからなかったが,ビデオを含むTV装置を用いることによりTVモニター上に手術の状況を提示し,同時に録画記録できるので教育上も極めて有用である。内視鏡下鼻内手術は最近急速に普及しつつある。
内視鏡手術を行う場合には,視野角が広角であることや内視鏡での視野は近視眼的であるため鼻内形態全体の把握,関連術野との立体感の把握がやや悪く,内視鏡下での解剖に慣れることが大切である。また,狭い腔内に挿入した内視鏡全体が鉗子などの手術操作を制限することがあり,術者が内視鏡操作に習熟する必要がある。
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