特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断
15.頬粘膜の腫脹
牧本 一男
1
1大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.81-85
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901023
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はじめに
頬粘膜の腫脹は臨床的にはよく見られる所見であるが,著者の知る限りではこれまで,その原因,病態,診断,治療に関してそれが1つの論題として取り上げられたことはなかった。このテーマは耳鼻咽喉科,頭頸部外科,歯科,口腔外科に関連しており多くの角度より検討されるべき内容を含んでいる。したがって解剖学的にも病理学的にも,頬部が腫脹をきたす可能性は枚挙にいとまがない観すらある。しかしここでは理論的な可能性ではなく,著者が日頃の臨床で経験した症例に基づき,まずそれらの疾患を分類して列挙してみることにする。
頬粘膜の腫脹は,狭義にとると粘膜のみに腫脹のある病態に限られるが,臨床的には頬軟部組織の腫大・腫脹も含めてとらえるのが実際的であると考えられる。
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