特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断
14.口腔底の腫脹
藤吉 達也
1
1健和会大手町病院耳鼻咽喉科
pp.75-79
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901022
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はじめに
口腔底腫脹の主な原因は,炎症性,嚢胞,および腫瘍によるものに大別される。その診察に際しては,口腔底粘膜表面のみならず,頤下部,顎下部,さらには頸部全体の変化に注意を払うことが肝要である。口腔底領域には,互いに連絡する疎性結合組織性の間隙が存在し,深頸部,縦隔洞まで病変が及ぶ経路となり得るためである。このような解剖学的特徴を理解したうえで,口腔底の腫脹をきたす疾患の系統的診断手順を整理してみたい。
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