特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断
11.舌の腫脹
中島 格
1
,
宮城 千里
1
,
中島 寅彦
1
,
後藤 弘毅
1
1国立病院九州がんセンター頭頸科
pp.57-61
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901019
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はじめに
日常の外来診療でしばしば経験する主訴の1つに舌に関する訴えがある。味覚の異常や舌の痛みがその主なものだが,筆者の所属するような癌専門病院で最も多いのが舌の形態異常を自覚して受診するケースである。それらの多くがふとした機会に自分の舌の一部を異常と感じるもので,有郭乳頭や舌扁桃などわれわれ医師からすれば教科書に記載されている構造であることが多く,その説明に苦心した経験をもつ医師は少なくないだろう。一方こうした日常の外来診療のなかで見逃してしまいがちな重大な舌の変化が隠されていることもあり,的確に診断していくためには一定の手順を有していることが大切である。
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