特集 Dos & Don'ts外来の小外科
Ⅰ.頭部・顔面・口腔
11.舌外傷
大野 吉昭
1
1大野耳鼻科医院
pp.34-35
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901289
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舌の外傷は,顔面や口腔内損傷との合併,あるいは単独に起きてくる.その原因としては,交通事故,殴打,転倒,義歯のフック,歯科治療,自殺目的,精神障害,全身痙攣などがある.最も多く遭遇するケースは舌咬傷であろう.
舌は血管に富む実質臓器であるので,小さな損傷であっても一時的にかなりの出血をみることが多く,患者も医師も慌てさせられるが,創傷の部位,大きさ,深さ,出血点などを冷静に確認して対処することが肝要である.舌背部や舌縁部にはそれほど太い血管は存在しないが,舌下面では舌深動静脈が表面近くにあり.粘膜も薄いので注意を要する(図1,2).
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