トピックス 高齢者と耳鼻咽喉科・愁訴と対応
音声障害
新美 成二
1
1東京大学医学部音声言語医学研究施設
pp.217-221
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900257
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はじめに
従来音声障害は「声に病的変化がある場合,または,発声に際して不快な自覚症状を伴う状態である。声の病的変化は,声の高さ・強さ・持続・音質の四要素について判断される。すなわち,これらの要素のどれかが,その人の年齢・性・発声環境から考えて,妥当あるいは必要と思われる条件から明らかにかけ離れている場合,その声に病的変化があるという」と定義されている1)。この定義では妥当と考える範囲が検者の主観に大きく依存している。ここで問題になるのは高齢者に関する正常範囲がいまだ明らかにされていないことであろう。
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