トピックス 高齢者と耳鼻咽喉科・愁訴と対応
口腔の異常
池田 稔
1
,
濱田 敬永
1
,
田中 正美
1
,
冨田 寛
1
1日本大学医学部耳鼻咽喉科
pp.209-216
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900256
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A.味覚障害
はじめに
味覚に関する異常を訴えて受診する患者は50歳代が最も多く,次いで40歳代,60歳代と続く(図1)。この受診者数を年代別人口に対する割合でみてみると,図2で示されるように加齢とともに増加する。女性では40歳代から,男性では50歳代から特に受診者数が増加する。
加齢により味覚障害が生じやすくなることは実験的にも報告されている。若齢および老齢ラットを亜鉛欠乏飼料により飼育した場合,味覚減退の発生率は若齢ラットでは30%なのに対し老齢ラットでは70%と有意(p<0.01)に高率になる1)。
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