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夏の真っ盛り,皆様いかがお過ごしでしょうか。天気予報では今年の8月も高温多湿とのこと。猛暑の日々で体力を消耗しないよう,くれぐれもご自愛ください。しかし,夏の日本列島いつからこんなに暑くなってしまったのでしょう。昼間の酷暑と熱帯夜で自宅のエアコンは休む暇なく働いています。自分がまだ子供のころ,夜はもちろん昼でも,全開にした窓と扇風機からの風で過ごせました。ただし蚊が近寄ってくるから虫除けは欠かせないアイテムでしたが。そういえば,あの渦巻き型蚊取り線香のにおい,自分にとっては少年時代の夏のにおいです。今でもたまに,懐かしくなってつい買ってしまいます。夏のにおいといえばほかにも,虫刺されの塗り薬,カルピスをたっぷりかけたかき氷,イチゴ味のシャービック,花火の燃えた火薬,カブトムシときゅうりが入った飼育ケース,プール帰りの水着が入ったビニールバッグ,夕立のあとの地面などなど,たくさんあります。少年時代に経験したそんな夏のにおい。今こうして文字にしただけで鼻の中に広がります。不思議な感覚ですね。皆さんにとって子供のころの夏のにおいには,一体どんなものがあるのでしょうか?
さて,今月の特集は「嗅覚診療最前線」です。新型コロナウイルス感染症パンデミック以来,世間一般に広く知られるようになった嗅覚障害。その病態は患者さんによりさまざまです。本特集では,嗅覚の基礎から検査,診断,治療まで最新の知見も交え12名の先生方にご執筆いただきました。ご多忙のなか,ご寄稿くださいました著者の先生方に心より御礼申し上げます。読者の先生方にはぜひとも診察室に置かれ,日々の嗅覚診療の手助けとしてご活用いただければ幸いです。また本号では,興味深い内容の原著論文5本も掲載され,盛りだくさんの内容です。ご一読くださいませ。
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