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あとがき
鴻 信義
pp.1052
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201438
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金風の候,皆様いかがお過ごしですか? 本格的な冬はもうすぐそこまで来ています。この時期,銀杏落葉の美しい光景を詠んだ俳句はたくさんありますが,自分にとってあの独特の匂いや踏みしめながら歩く感覚は小学校の校庭や周囲の通学路の思い出です。落葉を拾い集めてその上で寝そべったりダイブしたり。自分の中では,わりと最近のことのようにも思えますが,実際はもう40年以上の時間が…。1年は早い!です。あっという間に感じます。
さて,今月号では「知っておきたい難治性副鼻腔疾患の診療」を特集として掲載しました。ちょうど私が耳鼻咽喉科医師として駆け出しの1990年代に普及していった内視鏡下鼻副鼻腔手術やマクロライド少量長期投与療法によって,副鼻腔疾患,とくに慢性副鼻腔炎の治療成績は大きく向上しました。しかし一方で,好酸球性副鼻腔炎や前頭洞炎,乳頭腫といった治療にしばしば難渋する疾患はいまだ存在し,その数はむしろ増えてきている印象です。また,多発性血管炎性肉芽腫症や原発性線毛運動不全症は診断に至ること自体が難しい疾患で,長期的な管理が必須です。本特集がこれらの疾患の診断と治療のみならず,患者さんへのインフォームドコンセントのご参考になれば幸いです。
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