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特集 見逃してはならない耳鼻咽喉科疾患—こんな症例には要注意!
《口腔・咽喉頭・頭頸部領域》
耳下腺腫瘍だと思っていたら顔面神経鞘腫だった!
Facial nerve schwannoma misdiagnosed as parotid tumor
岩井 大
1
,
八木 正夫
1
,
鈴木 健介
1
,
藤澤 琢郎
1
Hiroshi Iwai
1
,
Masao Yagi
1
,
Kensuke Suzuki
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.1042-1045
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201874
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Case
患者は65歳,男性。
2年前からの左耳下腺部腫脹と左閉眼困難を主訴として当科に来院した。初診時の顔面神経麻痺スコアは柳原法の30点であった。穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration cytology:FNAC)では2回とも「陰性」の結果であった。MRIで腫瘍は深葉に存在し,辺縁整,分葉状,T1強調画像低信号,T2強調画像高信号であり,多形腺腫に合致する所見であった。ただ,T2強調画像で内部が低信号であり,神経鞘腫の可能性も考えた(図1a,b)。以上より,耳下腺深葉多形腺腫を第一に,そのほかに耳下腺癌や神経鞘腫を念頭に置き,耳下腺部分切除術を予定した。術中,顔面神経本幹の同定に際し,本幹が本来存在するはずの部位に,表面平滑で弾性軟の腫瘤を認めた(図2a)。MRIを見返すと,腫瘍が顔面神経管に陥入するような所見(図1c)や,顔面神経が腫瘍に移行する所見を認めた(図1d)。
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