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特集 ここが知りたい! 高齢化時代の頭頸部がん診療
高齢者に対する喉頭温存手術の適応と限界
The indication and/or limitation of laryngeal preservation surgery for elderly head and neck cancer patients
大久保 淳一
1
,
松浦 一登
1
Jun-ichi Ohkubo
1
,
Kazuto Matsuura
1
1宮城県立がんセンター頭頸部外科
pp.584-588
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201352
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POINT
●65歳以上人口が全人口の25%を超え超高齢社会を迎えた本邦では,後期高齢者のみならず,超高齢者を対象とした手術は珍しくない時代となった。
●下咽頭がん・喉頭がんを中心に,高齢者を対象とした喉頭機能温存手術の現況と今後の展望について解説した。
●高齢者の喉頭温存手術後の機能障害で最もQOLに影響するのは嚥下機能障害であり,術前の嚥下機能評価は必須である。
●家族が協力的であり,なおかつ本人の喉頭温存に対する強い意志があり,術前の下咽頭・食道透視で誤嚥がなく,重篤な全身疾患がない高齢者に対しては,喉頭温存手術は選択肢となりうる。
●適応基準は75歳以下であることが原則ではあるが,高齢者に対してもオーダーメイド化治療が求められる時代であり,適応基準のみで年齢の上限を画一的に定めるのではなく,同じ75歳でも個人差が大きいことを踏まえ,幅を持たせて対応することが求められる。
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