今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック
治療のトピック
3.手術 1)卵巣機能温存手術—適応と限界
皆川 幸久
1
,
紀川 純三
2
,
寺川 直樹
2
1鳥取県立中央病院産婦人科
2鳥取大学医学部産科婦人科
pp.782-784
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904056
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子宮頸癌では,自然史や進展様式が比較的明確になってきたこと,細胞診やコルポスコピーなどの診断技術が進歩・普及してきたことから,早期癌症例の割合が増加し,根治性と機能温存を両立させた手術療法への関心が高まりつつある.子宮頸癌手術における機能温存には,①妊孕性温存,②卵巣機能の温存,③広汎子宮全摘術における骨盤自律神経機能温存の三つに大別される.
quality of lifeに対する社会的要求が強い現状にあっては,治療の個別化に際して,これらの機能温存を考慮することが重要である.卵巣機能温存手術として,円錐切除術,子宮全摘術における卵巣温存,および卵巣摘出後のエストロゲン補充療法(HRT)が挙げられる.本稿では,子宮頸癌手術における卵巣機能温存手術の適応と限界について概説する.
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