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特集 咽頭癌・頸部食道癌の治療戦略Update
≪機能温存手術≫
下咽頭・頸部食道癌に対する機能温存手術—外切開による喉頭温存手術
Functional preservation surgery for hypopharyngeal cancer and cervical esophageal cancer
松浦 一登
1,2
Kazuto Matsuura
1,2
1宮城県立がんセンター頭頸部外科
2東北大学大学院医学系研究科連携講座頭頸部腫瘍学分野
pp.842-849
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200009
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POINT
●喉頭温存手術は治療後のQuality of Survival(QOS)を考えた場合に戦術上重要である。
●下咽頭癌に対する喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術の最大切除範囲は,一側の梨状陥凹,後壁を切除し,喉頭の一側の披裂・披裂喉頭蓋ヒダを切除するまでと考えている。
●頸部食道癌に対する喉頭温存・頸部食道切除術の適応は,腫瘍が頸部食道〜頸胸境界部に局在する症例で,反回神経麻痺がなく,喉頭浸潤・気管浸潤がないことである。
●喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術では,一側の披裂喉頭蓋ヒダと梨状陥凹に留まる切除なら一期縫縮が可能である。一方,一側の梨状陥凹を越えて後壁や輪状後部に達する切除例や,一側の披裂喉頭蓋ヒダを越えて披裂軟骨上半分を含む切除を要する症例では,遊離組織再建が必要である。
●術直後の喉頭・咽頭の観察が浮腫や唾液の貯留などで困難であることから,モニター空腸やモニター皮弁を頸部に留置している。
●完全喉頭機能温存が果たせた症例は85%であった。
●喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術症例のKaplan-Meier法による5年疾患特異的生存率は90.0%であった。
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