増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅴ 口腔・咽頭・唾液腺の検査
2 味覚検査
任 智美
1
,
阪上 雅史
1
1兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.232-237
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201267
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●目的
【電気味覚検査,濾紙ディスク法】
・味覚機能評価
・味覚障害の予後推測
・中枢性味覚機能障害の診断
・中耳手術後などの味覚神経障害程度の評価
・顔面神経麻痺の部位診断
【血清微量元素測定】
・受容器(味蕾)障害に対する原因精査
●対象
・味覚機能評価としては,味覚異常を訴えるすべての患者
検査施行後,病態を検討したうえで味覚障害と診断しうる。そのほか,顔面神経麻痺の際に鼓索神経,大錐体神経の閾値を測定し,障害部位を診断する。また中耳手術や扁桃摘出術,喉頭鏡下微細手術など味覚神経障害が起こりうる手術前後も対象となりうる。ただし,電気味覚検査はペースメーカーや人工内耳装用者には原則行わない。亜鉛,鉄,銅などの血清微量元素測定は受容器障害が疑われる場合に施行する。
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