増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅳ 鼻・副鼻腔の検査
4 鼻粘膜誘発テスト
三輪 正人
1
1日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学
pp.219-222
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201263
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●目的
・アレルギー性鼻炎の確定診断
・アスピリン喘息などの下気道疾患の診断
・血管運動性鼻炎など非アレルギー性鼻炎の診断
・上記疾患の薬剤有効性,治療効果の判定
アレルギー性鼻炎の診断基準では,①皮膚テストまたは特異的IgE抗体,②鼻汁中好酸球,③鼻誘発テスト,の3項目のうち2項目以上陽性の場合,確定診断ができるとされる1)。①あるいは②が陰性の場合は,鼻誘発テストが確定診断に必要となる。また,特異的IgE抗体は,感作されたことは証明できるが,その次のステップである発症していることの証明とはならないため,原因抗原により発症していることを証明する唯一の検査法である。
気管支喘息患者でも,鼻症状の有無にかかわらず,鼻誘発検査でアレルゲンを特定することが可能である。
誘発刺激としてcold dry airなどを用いることにより,非アレルギー性鼻炎の診断が可能となり,日常診療および研究の両面で,非常に重要な検査である。
●対象
・アレルギー性鼻炎
・気管支喘息(特にアスピリン不耐症や小児喘息など吸入誘発が躊躇される症例)の原因アレルゲンの診断
・血管運動性鼻炎などの非アレルギー性鼻炎
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