Japanese
English
特集 IgA腎症―最新の知見
【病因論】
粘膜免疫異常―主たる病因は鼻粘膜か腸管関連粘膜か
Mucosal immune abnormalities in IgA nephropathy―is the responsible mucosa nasal-associated or the gut-associated lymphoid tissue?
二瓶 義人
1
NIHEI Yoshihito
1
1順天堂大学大学院医学研究科 腎臓内科学講座
キーワード:
IgA腎症
,
粘膜免疫異常
,
責任粘膜
,
鼻粘膜
,
腸管関連粘膜
Keyword:
IgA腎症
,
粘膜免疫異常
,
責任粘膜
,
鼻粘膜
,
腸管関連粘膜
pp.969-973
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000195
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はじめに
IgA腎症において,腎に沈着しているIgA抗体は,そのヒンジ部O型糖鎖にガラクトースを欠損したIgA1(galactose deficient IgA1:Gd-IgA1)であることが明らかにされている。Gd-IgA1は,患者血清中でも増加していることから,腎炎の1st hitとして考えられ,Gd-IgA1の産生機構の解明を目指し,これまで多くの基礎・臨床研究が行われてきた。本症では,上気道炎後に肉眼的血尿や腎炎の増悪を認める一方で,主に欧州でセリアック病や潰瘍性大腸炎の合併が散見されることなどから,粘膜免疫の本症病態への関与が,1970年代より盛んに議論されてきた。
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