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特集 小児の中耳炎を究める
小児急性中耳炎起因菌の最近の動向
Current trend of microbial pathogens in acute otitis media in children
冨山 道夫
1
Michio Tomiyama
1
1とみやま医院
pp.18-26
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200805
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POINT
●2014〜2015年に当院で治療した小児急性中耳炎のうち,上咽頭細菌検査でStreptococcus pneumoniaeもしくはHaemophilus influenzaeが検出された447名を対象として,細菌学的検討を行った。
●drug-resistant S. pneumoniae(DRSP)は32%,アンピシリン(ABPC)耐性H. influenzaeは76%検出され,2011〜2012年の調査と比較しDRSPの検出頻度が有意に減少した。
●3歳未満の群と3歳以上の群の薬剤耐性菌の検出頻度を比較すると,DRSPは差がなく,ABPC耐性H. influenzaeは3歳未満の群が有意に高かった。
●集団保育の有無と薬剤耐性菌の検出頻度の関係は,DRSPは差がなく,ABPC耐性H. influenzaeは集団保育ありの群が有意に高かった。
●今回みられたDRSPの検出頻度の変化は,7価肺炎球菌結合型ワクチンの効果と考えられるが,今後も小児急性中耳炎起因菌の動向を注視する必要がある。
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