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特集 小児の中耳炎を究める
小児の中耳炎の疫学
Epidemiology of acute otitis media in children
林 達哉
1
Tatsuya Hayashi
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.10-16
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200804
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POINT
●3歳までに50〜71%の小児が少なくとも1回は罹患するcommon diseaseである急性中耳炎は1990年代以降難治化が進行した。
●難治化には,セフェム系抗菌薬の濫用を背景とする急性中耳炎原因菌,すなわち肺炎球菌とインフルエンザ菌の薬剤耐性化の進行が関与した。
●難治化対策として,ペニシリン系抗菌薬の第一選択を基本方針とする抗菌薬の適正使用が奨励され,「小児急性中耳炎診療ガイドライン」として結実した。
●抗菌薬使用の適正化に伴い,肺炎球菌ではPRSP,PISPが減少したが,インフルエンザ菌ではBLNARの増加が続いている。
●肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)の登場により,ワクチン血清型肺炎球菌の検出率は減少したが,非血清型株は増加傾向にある。
●ワクチン時代にあっても,抗菌薬の適正使用の重要性は変わらず,ガイドラインに基づく診療が推奨される。
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