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4月下旬,韓国の耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会総会・学術講演会に出席してきました。従来は日本と同様,母国語で行われていたそうですが,“global standard”の時代に対応すべく,2014年から国際学会として開催するようになったそうです。30名の日本を筆頭に29か国から大勢の招待者が来韓していました。現在の教授世代の学生時代には英語の教科書しかなかったので自然と英語力が身についていたのに,今ではわが国同様,韓国語の医学書が豊富にあり,若い世代の英語力が落ちているのを憂いてのことだそうです。元祖ガラパゴス島のわれわれもお隣の国の意気込みを見習わなくてはいけませんね。もっとも,不満を覚える先生もいないわけではなく,今後は国際学会として開催するのは2年に1度とペースダウンするらしいですが……。
さて,今週号の特集は「真菌症」です。真菌症は耳鼻咽喉科・頭頸部外科が守備範囲とするさまざまな臓器に発生する感染症ですが,免疫不全の患者に発生することも多く,侵襲性副鼻腔炎のように対応が遅れると致命的となることも少なくありません。そこで本号では,まず初めに,槇村浩一先生(帝京大医療共通教育センター)と前﨑繁文先生(埼玉医大感染症内科)に真菌症の最近の動向と抗真菌薬の使い方にについて解説していただき,続いて耳,鼻副鼻腔:非侵襲・侵襲型(浸潤型),口腔,咽喉頭,食道,全身(血液)の各臓器の真菌症について,髙橋晴雄先生(長崎大),渡邊荘先生(昭和大),初鹿恭介先生(山梨大),浮地賢一郎先生(東京歯科大),香取幸夫先生(東北大),照屋勝治先生(国立国際医療研究センター),吉田稔先生(帝京大学溝口病院第4内科)にご執筆をお願いいたしました。脊髄由来神経鞘腫(松下論文)と小児の横紋筋肉腫(宮下論文),特発性外リンパ瘻(三好論文)の原著論文3編とともにぜひご一読ください。
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