- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今日7月1日から大飯3号機が再起動しました。5月に国内の原発50基がすべて停止して以来,運転再開するのは初めてです。福島第1原発事故の検証が十分になされたとはとても思えず釈然としませんが,私が住む関西の今夏の電力需給見通しは本当に厳しいらしく,経済に与える影響を考えれば当面のこととしては致し方ないのかもしれません。一方,太陽光や風力などで発電した電力を電力会社が買い取る再生可能エネルギーの全量買い取り制度も本日からスタートしました。買い取り費用は,電力会社が電気料金に上乗せして回収するとのことです。今年度の一般的な家庭の負担増は月当たり平均87円。今後,買い取り量が増えるにつれさらに増加するのでしょうが,原発事故で失った大切な命や社会が支払ったコストを考えれば,私には価値ある出費だと思えます。
さて,今月号の特集は「ウイルスと頭頸部腫瘍」です。EBVと上咽頭癌や悪性リンパ腫の関連は以前からよく知られていましたが,最近,鼻腔や喉頭の乳頭腫,子宮頸癌発症の原因として知られるHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)と中咽頭癌との関連が注目され,臨床の場でも治療方針の決定に参考にされるようになってきました。そこで,わが国を代表する先生方にEBVとHPVについて,ご自身の研究を交え最先端の知見について解説していただきました。Current Articleは伊藤 健教授(帝京大学)の純音聴力検査モデルです。先生のHP(www.itokencorp.com)に入ると伊藤先生が開発されたマスキングシュミレータや純音聴力検査シュミレータを体験できます。ぜひお試しください。目でみる耳鼻咽喉科は「食道入口部が持続的に開大していた3症例」,原著論文は「原発性気管腺癌の1例」と「鼻中隔より発生した多形腺腫の1症例」,鏡下囁語は飯沼先生のMenièreシリーズ第三弾と,今月号も力作揃いです。ぜひ,ご一読ください。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.