Japanese
English
特集 注意すべき真菌症診療の落とし穴
≪部位別:真菌症診療の実際≫
外耳・中耳
External and middle ears
髙橋 晴雄
1
Haruo Takahashi
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
pp.382-387
発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200639
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POINT
●中耳原発の真菌症はごく稀で,中耳・外耳の真菌症の大部分は外界からの真菌の二次的感染でしかも表在性であり,その病因・病態は耳真菌症として一括できるものである。
●しかし鼓膜穿孔がない外耳道真菌症と慢性中耳炎に伴う真菌症とは局所治療の考え方,注意点が異なる。
●外耳道真菌症は外耳道皮膚炎や湿疹に続発するものがほとんどで,皮膚表在性真菌症の局所治療法が基本となる。
●慢性中耳炎に伴う真菌症は大部分が細菌感染に二次的に真菌感染が生じたものであり,治療には慢性中耳炎の感染のコントロールを含める必要と,真菌に対する局所治療薬の内耳毒性に常に注意を払う必要がある。
●全身的な基礎疾患(糖尿病,腎障害など)や免疫抑制薬服用中などの状況では,稀に中耳や乳突の真菌症さらには真菌性頭蓋底骨髄炎などの深部真菌症の病態をとることがあり,それらでは長期の全身的抗真菌薬投与を要する。
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