Japanese
English
特集 膿瘍—マネジメントとピットフォール
鼻性頭蓋内膿瘍
Sinogenic intracranial abscess
坂井田 寛
1
,
小林 正佳
1
Hiroshi Sakaida
1
,
Masayoshi Kobayashi
1
1三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.122-128
発行日 2015年2月20日
Published Date 2015/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200510
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POINT
●膿瘍を形成する鼻性頭蓋内合併症として,硬膜外膿瘍,硬膜下膿瘍,脳膿瘍がある。
●症状は発熱,頭痛,意識状態の変化,嘔気・嘔吐,痙攣などである。脳膿瘍,硬膜外膿瘍の臨床経過は比較的緩徐であるが,硬膜下膿瘍は急速な経過をたどる。
●症状,所見,経過が通常の鼻副鼻腔炎とは異なることに気づくことが重要である。症状から頭蓋内合併症が疑われる場合には,CT,MRIによる画像検査が必要である。
●鼻性頭蓋内合併症は複数の起炎菌による混合感染の可能性があるため,広域抗菌薬の使用が望ましい。
●速やかな抗菌薬治療とともに,頭蓋内膿瘍のドレナージが必要である。感染源である鼻副鼻腔炎に対する手術治療も考慮する。
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