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あとがき
吉原 俊雄
pp.966
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200042
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猛暑の夏も過ぎ,秋を感じ始めた頃に都内の公園では蚊によるデング熱の発症,さらに全国に患者さんが帰郷し広がりをみせています。公園も都内の複数に分散しはじめていますが,本号が発刊される頃には本疾患が終息していることを願っています。一方でアフリカでのエボラ出血熱の拡大は人類にとっての脅威であり,アフリカから世界へと拡大しないことを祈るばかりです。予防ワクチンもないことから致死率も高い感染症であり,ヨーロッパにおける中世のペストを想起させます。人類の科学や経済の発展に伴うジャングルの開発なども影響しているのでしょうか,わが国の日常診療のなかでは思ってもいなかった感染症の登場です。
さて本号の特集はやはりウイルス性疾患で,冬期には内科,小児科とともに耳鼻咽喉科がかかわるインフルエンザに関するものです。インフルエンザウイルスについて,ウイルスの特徴と型別分類,小児と成人におけるおのおのの診療のポイント,耳鼻咽喉科医に関連する対処,抗インフルエンザウイルス薬の特徴と使用法について5人の先生方による解説を掲載しています。本年から来年にかけてわが国で流行ると思われるインフルエンザについて,本誌に目をとおされることで,多くの疑問点が解決され適切な診療が行われることを望みます。過去,鳥インフルエンザ襲来による日本人のパニックに近い反応も記憶に新しい事項です。受験生の追い込みの際には流行していないことを望みます。
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