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私が『耳鼻咽喉科・頭頸部外科』誌にかかわった時期は1982年(昭和57年)に『上顎に発生したspindle cell squamous carcinomaの1例』という症例報告をはじめて書いたことに始まります。当時は『耳鼻咽喉科』という雑誌名で多くの論文投稿がみられ,日本耳鼻咽喉科学会会報が研究論文(学位論文が多くを占める)を中心とする一方,本誌が臨床論文の雑誌として広く親しまれ,今日まで脈々とその伝統は引き継がれています。これまで自著,医局員との共著を調べたところ50編前後,本誌にお世話になっております。
久保猪之吉先生創刊(1928年)の本誌ですが,1962年以降に編集に携わられた先生方は同欄右側に掲載しております大和田健次郎先生,佐々木好久先生,曽田豊二先生,坂井 真先生,故小田 恂先生,八木聰明先生,竹中 洋先生,そして私と現在まで深くかかわらせていただいています。竹中先生は学長職に就任され編集委員を勇退されて編集顧問になられますが,これまでの企画のアイデアなど目を見張るものがありました。心より感謝申し上げます。竹中先生の後任として新しく丹生健一先生が編集委員を担当されます。さらに内容の充実した雑誌になると確信しております。今後は興味ある企画とともに,やはり原著論文投稿,特に臨床医にとって貴重な症例報告を大切に考えて編集していくことになります。可能であれば,オンラインや何らかの形で英文の症例報告も受理していくことができればと思います。若い先生方の英文投稿のトレーニングにもなるはずです。この『あとがき』を書いております本日は,専門医試験(初日)が行われている真っ最中です。本誌の企画にあります『シリーズ 専門医試験への対応』が少しでもお役に立てば幸いです。また,もう1つ,特集として何回かテーマを変えて掲載させていただいております『耳鼻咽喉科専門研修を始める医師へ』も臨床の現場で若手の先生に役立つようベテランの先生方に執筆していただいています。入局後に本誌を活用いただくことにより専門性を高めるにあたり先生方の血となり肉となることを期待しています。また多くの先生方の投稿をお待ちしております。よろしくお願いいたします。
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