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昨今の天気予報からは,まず中国からの黄砂,PM2.5なる有害物質の襲来が告げられ,さらに日本固有の花粉の飛散が加わり気道系に悪影響を及ぼしそうです。先週は中国からの汚染物質が九州に出現,学校の体育も室内退避というニュースがありました。あとがきを書いております本日はいよいよ関東地方に襲来という予報です。街中にはマスク着用の人が増え,薬局や駅の売店でもさまざまなマスクが販売されています。マスクについてわれわれ耳鼻咽喉科医は日常つけ慣れておりますが,どこまで防御できるか皆不安はあります。大気汚染とは別に,現在病院内はマスク着用義務化,腕時計も感染伝播の原因のひとつと着用禁止などかなり厳しくなってきました。気がつくと大学で朝着用していたマスクで,そのまま午後に外勤,そのまま診療,大学にもどり,さらに医学書院にそのまま出向き,帰宅した際に一日中交換するのを忘れ同じマスクをしたまま玄関にということもありました。清潔からは程遠い感じで,病院のコストはかかりますがマメに交換すべきと反省しています。現在,花粉症シーズンですが,今年は汚染物質とあいまって,複合的な気道症状の患者が来院することが予想されます。
さて今月号の特集は「身につけたいリハビリテーションの最新スキル」です。日常診療でしばしば遭遇する,めまい,顔面神経麻痺,嚥下障害,頭頸部手術に関連する嚥下障害,シャント発声後のリハビリ,頸部郭清後の上肢障害のリハビリと臨床の場で知りたい内容が盛り込まれています。Current Articleではペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の抗炎症作用,さらに鼻アレルギー,喘息におけるアレルギー反応抑制効果について述べられ,将来の臨床応用が期待される内容です。原著も,毎号興味ある論文が掲載されていますが,今回の6つの論文はムンプス関連,下咽頭血管腫,耳介癌とその再建,片頭痛関連めまい,めずらしい耳介汗管腫,興味ある聴神経腫瘍症例とおのおのチェック要の内容です。症例報告はきわめて重要な情報の蓄積となります。多くの投稿をお待ちしています。
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