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東京では173年ぶり,大阪では282年ぶり,名古屋では何と932年ぶりだそうです。5月21日朝,金環日食が観測されました。日本では竹島で最も早く観測され,福島県南相馬市までのベルト上の広い地域で観測が可能となり一大イベントになりました。日食には皆既日食,金環日食,部分日食がありますが,太陽が月に完全に覆い隠されるのが皆既日食,月のまわりに太陽がリング状にはみ出すのが金環日食です。今朝,出勤中に金環日食に遭遇しました。皆既日食と違い金環日食では太陽が完全に隠されませんのでまぶしくて直接見ることができませんでしたが,飛ぶように売れたという日食専用眼鏡でまさに金色に輝く金環を見ることができました。感動でした。子どもの頃,プラスティックの黒い下敷きで日食を観測したことを思い出しました。東京で次の金環日食が観測できるのは300年後だそうですが,どうしても見てみたい方は18年後の2030年6月1日に北海道でご覧になれますのでお楽しみに。
さて,今月号の特集は「診療ガイドラインのエッセンスとその活用法」です。さまざまな疾患で診療ガイドラインが整備されるようになっていますが,重要なのはその活用法です。特集では各疾患のエキスパートにその活用法をまとめていただきました。Current Articleは暁 清文教授の「突発性難聴の内耳低温療法」です。新しい独創的な治療法について基礎的および臨床的視点から解説していただきました。目でみる耳鼻咽喉科は「内視鏡下鼻内手術が奏効した再発性前頭洞嚢胞の1例」,原著は「頸部軟部組織内を移動し摘出に難渋した魚骨異物の症例」と「自家耳介軟骨を用いた耳小骨再建の長期成績」と読み応えがあります。今月の鏡下囁語は飯沼壽孝先生の連載第一弾「Menièreの原著と19世紀の変遷:第1編 Menièreの以前」です。Menière以前の耳科学の進歩についての理解が深まります。ロマンあふれる天体ショーと対比しながら耳科学の歴史的歩みに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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