特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅸ.腫瘍性疾患診療NAVI
1.鼻副鼻腔腫瘍
本間 明宏
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1北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
pp.249-253
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102167
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Ⅰ 疾患(症候)の概説
鼻腔および副鼻腔には,皮膚,粘膜,腺組織,軟部組織,骨,軟骨,神経/神経外胚葉組織,血液リンパ細胞,歯原性装置などに由来したさまざまな腫瘍が発生する1)。また,近傍にある脳,眼窩,上咽頭から発生した腫瘍が鼻副鼻腔に進展し発見される場合もある。
鼻腔に発生する腫瘍は,ほぼ半数が良性であるが,副鼻腔では悪性腫瘍が多い。副鼻腔別の発生頻度をみると,上顎洞が圧倒的に多く,次いで篩骨洞が多い。蝶形骨洞,前頭洞に腫瘍が発生することも稀ではないが頻度は低い2)。悪性腫瘍では扁平上皮癌が多いが,それ以外にも悪性リンパ腫,悪性黒色腫,嗅神経芽細胞腫など,良性腫瘍では血管腫,乳頭腫など多彩で,病理診断に苦慮する場合もある。
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