特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅴ.麻痺と痛みの診療NAVI
3.嗅覚障害
都築 建三
1
,
阪上 雅史
1
1兵庫医科大学耳鼻咽喉科
pp.129-133
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102146
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Ⅰ 疾患の概説
五感の一つである嗅覚は,呼吸機能とともに重要な鼻の機能の一つである。有害物(腐敗・ガス・煙など)を察知する生命維持に加え,ヒトではQOLの向上に役立っている。嗅覚の伝導路は,鼻孔→鼻腔→嗅粘膜(嗅細胞:受容)→一次中枢(嗅球:仕分け作業)→二次中枢(大脳辺縁系の梨状皮質・扁桃核・嗅結節・海馬など:認識・好み・記憶)→三次中枢(視床背内側核)→高次中枢(嗅覚皮質・眼窩前頭野:統合)となる1)。いずれの部位でも嗅覚障害をきたしうる。嗅覚障害の部位と主な原因を以下に示す。
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