特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅱ.難聴診療NAVI
5.遺伝性難聴
野口 佳裕
1
1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科
pp.55-59
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102133
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ 遺伝性難聴について
先天性難聴は出生数1,000人に1人の割合で生じる1)。先天性難聴の50%以上が遺伝性と考えられ,残りは先天性風疹症候群,サイトメガロウイルス感染など環境要因が関与する。遺伝性難聴は症候群性と非症候群性に分類されるが,非症候群性遺伝性難聴の割合は70%と高い(図1)。非症候群性遺伝性難聴の中で常染色体優性遺伝形式のものはDFNA,常染色体劣性遺伝形式のものはDFNB,X連鎖性のものはDFNXと略され,それぞれ報告順に番号が付けられている。さらに,ミトコンドリア遺伝性のものなどが存在する(The Hereditary Hearing Loss Homepage:http://hereditaryhearingloss.org/)。近年では次世代シークエンサーを用いた解析も行われるようになり,50以上の非症候群性遺伝性難聴の原因遺伝子(難聴遺伝子)が同定されている2)。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.