書評
口蓋裂の言語臨床 第3版
髙戸 毅
1
1東京大学大学院・口腔外科学
pp.155
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102071
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口蓋裂の言語臨床における必読の書,待望の改訂版
『口蓋裂の言語臨床 第3版』出版にあたり,心からお慶び申し上げます。斯界における日本有数の執筆陣によって,1987年に本書の初版が,そして2005年には第2版が出版され,初版の出版から既に30年近くの歳月が過ぎましたが,この長きにわたって本書は口唇口蓋裂の治療に携わる多くの医療関係者に読み続けられており,口蓋裂の言語臨床における必読の書となっております。
口唇口蓋裂治療では,患者の成長発育段階に応じて,医師・歯科医師・言語聴覚士など,多分野の専門家から構成されるチームが集学的な治療を行う必要がありますが,本書は,まさにその観点から執筆・編集されており,口蓋裂の言語臨床にかかわるうえで必要な評価と治療について,乳児期から成人期まで年代別に説明しています。一方,近年の科学技術は日進月歩で目を見張るものがありますが,それは口唇口蓋裂の治療に関しても同様で,第2版の出版後わずか6年の間にも新たな手術法が開発され,また,歯科矯正治療を中心に歯科分野でも新たな展開がありました。口蓋裂の言語臨床の領域でも,2007年に『口蓋裂言語検査』が出版され,2010年に『新版構音検査』で音声表記が一部改訂されるなど,大きな変化・進展がありました。これらに対応するために今回の第3版でも第2版と同様に適切な改訂が行われました。
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